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そして、おわる。
子供が、彼が愛してやまない妹が、塵のように吹き飛んだ。
小さな頬を赤く腫れあがらせて、必死で謝り続けて。それでも、また投げ飛ばされる。
妹がぐったりとしても、それは止まらなかった。蹲っているそれを、蹴り飛ばす。
男の気が済むまで、それは終わらない。

感覚がなくなるほどめ一杯手を握り締めても、それを止めることは出来なくて。
ただ、妹と男を見ることしかできない。
やめてくれと、自分が懇願する声は、どこか遠くから聞こえるばかり。

ああ、駄目だ。
このままでは、妹が死んでしまう。
この男を   。
そう、思った。








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