← back to index
失ったはずの涙が今日もまたこの双眸から流れ落ちる
「………っ」
「抵抗しなよ」
純粋な憎しみを瞳に浮かべながら、清苑はまた抵抗しない子供の首に力を込める。
憎い、憎い、憎い。そんな目をしたら良いのに。
閉じられたままの瞳。かなわぬ望みに、つまらなくなって手を離すと、子供は重力に従って床へ落下した。
「かはっ、…っ」
途端、世話しなく上下する胸。返り討ちにして、死ぬ間際の奴等みたいだ。
そんな事を思いながら、子供が目を開くまで、清苑は待ってやった。
楽しい事が、もうすぐ起こるから



君から







← back to index
Flit from word to word. (涸れる空)