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そうしてあなたは、今日も自分を殺していく。(完璧へと変わっていく)
部屋に足を踏み入れたとたん、否、少女にはその前から分かっていいたことだが、そこは血の海だった。
驚愕に醜く歪んだ女の顔を無表情に見て、伶華はこれからの根回しを考える。
自分などが考えずとも、清苑が失敗などするはずもないと思いながら。
血に濡れた長剣を持った子供は、けれど服には一切の汚れを付けることなく、そこに立っていた。
「何だ」
向けられる殺気は慣れたもので、それに伶華は少しも怯む事無く告げた。
「陛下がお呼びです」
「お前も一緒にか」
「はい」
剣を適当な所に置き、振り返るもせずに去る清苑に従い、伶華も付いていく。その時にはもう、先ほどの光景など頭の片隅に追いやられて いた。









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