欲しいと望みながら、絶対に手に入れられはしないことを僕は知ってる
「っ……あいつらめ…っ」
何も今日仕掛けて来なくても良いだろうに。
先ほど負った火傷が、まだ熱を持っている。
彼女は待っているだろうか
急がねば



――……まぶしい…花の香り………?
…………ル……ブ…………セ……
なんだ?
…………セ…ルス……
誰だ?リリー………?

「セブルス」
「……ルシウス先輩」
夕日が窓から入って来ている。
「過労だそうだ。気分はどうだ?」
「…はい。大丈夫です」
「そうか、なら良い。今日はゆっくり休め」
「はい」
ベットサイドの時計を見なくてもわかった。
待ち合わせの時間がは当に過ぎている。
「ミス・エバンスならポッターが知らせたはずだ」
自分の心を読まれた気がして、同様を隠そうとシーツに視線を落した。
「何時まで遊んでいるつもりだセブルス」
「……?」
「まさか本気ではないだう?誇り高きスリザリン生である君が……優秀な君とは思えない判断だな」
「………すみません……」
言葉の裏に隠された意味を感じる度に思い知らされる
彼女を手に入れる事は出来ないんだと。
何時から決まっていたんだろう
スリザリンに選ばれた所から?彼女を好きになってしまった所から?
それとも――生まれた所からだろうか
硬く握ってあった手が、ぬるく汗ばんで気持ち悪い
腕をぎこちなく上げて手を額に乗せてみた
訳もなく空しかった
彼女は悲しむだろうか
それとも怒るだろうか
いっそ憎んでくれたら良いと思う
忘れられるぐらいならそのほうが良いから

ずっと気付かないふりをしていたかった、終焉はもう近かった
template : A Moveable Feast
滾々五十題 (群青三メートル手前