ここからはじまる、ここからはじめる
ドリーム小説 よく晴れたある日、庭に一人の少女がいた。
茶州官吏達に姫様とかわいがられているである。ちなみにこの呼び名、は衝撃から立ち直るとすぐに辞退したのだが、時は遅く、官吏達に裏で浸透してしまっていたものである。
ともあれ、はある壁に突き当たっていた。
『やりたい事をして良いのですよ』
悠舜の気持ちも、言っている事もよくわかる。だが、見付からない。
やりたい事は大切だ。それのために彼は官吏でいるのだろうし、茶州が好きで守りたいから、燕青は州牧をやっている。
みんなをやりたい事を解っている。
まだ会った事野の無い、かの養い子はもう官吏を目指しているのだろうか。彼のやりたい事は養い親の役に立つ事。可能ならばにとってもそれがベストなのだろう。
けれど生憎、は女だった。まあ、急に男にされても困るのだが。
目を閉じて記憶を探る。
生きたい。
これだろうか。あの時あちらで最後に思った事。
生きたい。生きたい。生き、たい。
きっと今までで最も純粋で強烈な思い。
その次なのだ今は。
目を開いたは一度だけ空を見た。青い空。
色々、根回しと準備が必要だ。
彼女が養い親と上司を訪ねたのは、夕刻の事であった。
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