笑い話にもなりゃしない
ドリーム小説 騒がしさに意識を浮上させると、最初に視界に入ったのは鼠色のモップだった。何となく手を伸ばすと、触れる前にそれは動いた。
「!」
「あ、起きたみたい」
「も、モップから目が……」
目付きモップが固まった。



「ご、ごめんなさい!」
「ううん。いいよ」
あっさりと許してくれた彼は名前をコルトピさんと言った。必然的に私が苦手とする彼の名はヒソカさんとなる。いや、彼が旅団の人間でない可能性も無い訳ではないが。
かわいらしいコルトピさんに連れられて広間に向かうと、殺気を出した皆さんがいました。殺気の向く先はピエロで変態で私の苦手なヒソカさん(推測)。

「はい」
呼ばれて団長の威厳たっぷりのクロロさんに近付く。自然に背筋が伸びる。あ、機嫌が悪いですね。
「ヒソカと知り合いか?」
「はい。すごく不快な事この上ありませんが事実です」
あ、危ない『私』が少し出掛かった。
「何をされた」
「特には……壁とヒソカさんの間に閉じ込められ、少し変態ちっくなオーラと目線を受けて、息ずかいがわかるぐらいには顔を近付けられましたけれど」
十分何かに入るかもしれない。間違いなくい一般人がする事ではない。それは格好からしてもそうだが。
「ヒソカさんは初対面から大の苦手です」
思えば、就寝前以外にクロロさんと直接会話するのは久しぶりだった。念や料理、他の団員さんに気を取られていたらしい。プリンが順調に減っていくのもあるのだろう。
「同感だね」
同意の声をあげ横に来たマチさんは、クロロさんの左奥に座っているヒソカさんを睨んでいた。ヒソカさんと目が合い、ぶるっと私は身を震わせた。それが伝わったのだろう、マチさんが私を後ろに庇って、そのままクロロさんの前から移動し、皆が座っている所に連れて行ってくれた。私はフェイタンさんの横に座った。何となく。フェイタンさんは私をちらりと見て。
「ワタシもあれ嫌いね」
そう言って、頭を撫でてくれました。
驚いたが、気付けばしっぱなしだった緊張が解けていくのを感じた。兄さんみたいだ。
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大変なことになってきた10のお題(東から南へ三十度)
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