丸投げされた爆弾
ドリーム小説 すっかり日常と化した自主練習を終え、私はフェイタンさんの拷問部屋を後にした。
私を皆が探してくれた日、何処に行っていたのかと言うクロロさんの問いに悩んでいると、フェイタンさんが代わりに答えてくれた。
「ワタシの拷問部屋に居たね」
「はぁ!?」
フェイタンさんを除く皆も驚いていたが、私も驚いていた。彼の部屋だとは思ってもいなかったのだ。急いで謝り、そして彼が使う時以外はこの部屋を使う許可を貰った。
体を少し鍛えたからだろう、この頃やっと、私はクロロさんの腕の中から自力で抜け出せる様になった。彼はどうやら本当に眠っているらしい。何と初めての経験だそうだ。原因は不明だが体が楽だという事で良かった。
広場に向かっていた私は、ピタと入り口手前で足を止めた。
嫌な感じがする。あの人がここにいる訳がないに。背筋をゾクゾクと何かが走る。
けれど、段々近付いてくる気配に、訳などもはや関係なく私は確信した。
私がどうも苦手とする。
彼と対面せざるおえないと。



彼と会ったのは私がまだ幼く、念の存在さえ知らなかった頃だった。
母さんから持っていろと言われたウサギの縫いぐるみを持ち、ピンクでふりふりなパジャマを着ている状態だった私は、廊下で彼をと会ったとき、思わず母さんの趣味だろうかと思った。それほど、自分の格好と彼の格好は同じ雰囲気の物だった。今回もかれはその時とかわらぬピエロ風の格好で私の前に姿を現した。
「ククク……イルミから君が此処にいるって聞いて来ちゃった」
「……そうですか」
ああ、視線が気持ち悪い。逃げ出したい。距離取りたい。
「今日はみんないないみたいだね」
「…………………」
そうですよ。皆さんお仕事で数人しか此処には残っていないんですよ!

う、顔が近い!一歩下がりたい。
けど、泣きそうな私の背には壁しかなく、横はヒソカさんの腕で塞がれていた。
誰か助けてください!
兄さん、マチさん、クロロさん、パクさん、シャルナークさん、フェイタンさん!
ああ、せめて強化系なら。はっと私は閃いた。私の念能力よりもこの方法の方がきっと可能性がある。
私は目の前の顔を見ないようにして。息を吸い込んだ。
それはもう、某漫画の先輩キャラの様に極限まで。
んで、気絶した。
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大変なことになってきた10のお題(東から南へ三十度)
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