もう泣きそうです
ドリーム小説 バサバサと大量の服が籠に押し込まれていく。いずれも、リボンにひらひらが沢山付いた物ばかりだ。
「パ、パクさん」
「うん?これなんかどう?」
「………もう少し、その、今着ているのみたいなのを」
とにかく、ひらひらの少ない物をお願いしたいです。
「あら、でも昨日もこれ位の着ていたじゃない」
まあ、たしかに。
「私もその方が良いとおもうよ。料理するのにその服じゃ大変だろう」
「はい!」
ああ、マチさん。ありがとうございます。
「まあ、こういうの着せたくなる気持ちはわかるけどさ、実際似合うし。でも、買うのは普段着でしょ」
比較的ひらひらの少ない服を持ち上げてみる、君がどうやら私には似合うらしいよ。そう思ったら目の前の服がすこし毒々さを減らした気がした。
服を買った私達は、街中を歩いて行く。人々や店の全ては私に感動をもたらした。知識だけの世界が現実になって行く。それはまるで、やっと色が付いた絵のよう。
街中が始めての私は、人ごみによく流されてしまった。見かねたマチさんが手を握ってくれる、それがとても嬉しい。
「あ」
「どうしたんだい?」
「ちょっとそのお店によって下さい」
そう言うと、マチさんは店まで私をひっぱって行ってくれた。急いで、店内を物色すると、目的の物はすぐに見つかった。ただ、どれにするべきか私には分からない。私の背には二人の怪訝そうな視線があたっていた。
「どうしてでフライパンなのかしら?」
「誰か殴るんじゃない?」
何でそっちに思考が行くんですかと言いたいのを押さえ、二人に振向く。
「あそこにあったフライパンはもう変えるべきです。どれが良いと思います?」
「これかしら」
「私も」
二人が掴んだのは、重いが丈夫な物、使えないほど重くはなかったので購入する。後は夕食の材料だけだった。
「ご夕飯は何が良いですか?」
私が聞くと、パクさんは何でも良いわと言い、マチさんは量が大ければ何でも良いと言われた。結局私は大量のパンと鳥肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの野菜を買って帰った。



鍋が重い。
「へえ。君が作ったの。完成?」
「はい。あ、ありがとうございます」
何も言わずに、シャルナークさんは鍋を持ち上げて、食卓へ行ってしまった。あわてて、鍋置きパッドとお玉を持って付いて行く。
「そんなのあったの?」
「埋もれていました」
「ふうん。そうそうって、何人ぐらいに会った?」
「クロロさん、マチさん、パクさん、フェイタンさん、シャルナークさん。後は、大きい方と包帯の方にもお会いしました。シズクさん?と変態さん?にはまだお会いしてないないらしいです」
「大きい方って、のはフランクリンだろうから。じゃあ、後はシズク、ヒソカ、ノブナガ、フィンクス、コルトピ、ウヴォーギンだね」
「飯があるなんてめずらしいじゃねーか」
振向くと、何人か人がいた。大きい人が声を出したらしい。
「大きいのがウヴォーギン。で、ノブナガ」
・ゾルディックです」
「団長が連れて来たんだ。料理担当だよ。」
「ん」
「おう、よろしくな」
ウヴォーギンさんは大きな手で頭を撫でてくれた。軽くふらついた私を、ノブナガさんが支えてくれた。



この人たちはとても暖かい
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大変なことになってきた10のお題(東から南へ三十度)
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