止める術など無い
ドリーム小説 旅団の食事は、お世辞にもバランスが良いとは思えなかった。広場の端にあった冷蔵庫を覗き、一応名前が書かれていない物を選ぶ。
スクランブルエッグとトースト、ミルクは無かったのでストレートの紅茶。
「おはよう」
「あ、はいっ!おはようございます」
突然(と言っても相手にとっては普通なのだろう)声をかけられ私は飛び上がった。見るとパクさんだった。「何か作りましょうか?」と訊いたが食べたと返された。
「遅くてすみません」
クロロさんのせいとは言え。
「そんなのかまわないわ。それより、私達と買い物に行かない?」
「買い物、ですか?」
買い物。特に服には余り良い思いでが無い。
「服も買わなきゃいけないし、代金は団長持ちなんでしょう?」
「あ、はいそうなってます」
迷ったけれどせっかく誘ってくれたので行く事にした。ついでに、夕食も買って、すごく焦げていたのでフライパンも買おうと思った。



すっと、意識がクリアになってクロロは目を覚ました。何時もの姿勢でない事で、少女を抱きしめて寝た事を思い出す。人が起きたのに俺が気付かなかった?まさか、と思うが本人は腕の中にいない。起き上がると妙に体が楽なのに気付いた。
軽く扉を叩く音がした。フェイタンが入ってくる。
「団長、まだ寝てたか」
は?」
「二時間前に、そこでもがいてたね」
フェイタンの指が俺の横を指す。
「今は?」
「マチ達と買い物ね。夕食の材料も買てくるて言てたよ」
夕食を作るつもりか。
「アレ何でここにいるね、弱いくせに」
「気に入らないか?」
「……別に」
「アレはイルミからの預かり物だ。傷つけるなよ」
「分かてるよ。拷問はしないね」
「なら良い」
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大変なことになってきた10のお題(東から南へ三十度)
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