現状理解と呼び出し
ドリーム小説 最後には少し頬を赤く染めつつ(さすがブラック家、演技とは思えない)、優雅に去って行ったレギュラスの行動を纏めると、つまりこうなる。
交際を申し込まれた。
婚約しといて(といっても本人無視の家同士の契約だが)何をと思うが、どうやら彼はお付き合いから始めるつもりらしい。
幸せな家庭を作るための努力として、付き合う事により互いを知ろうということなのだろうか。
私には婚約者と発表するのと、断れない交際を申し込むのとの違いがわからない。
強いて言うなら、周囲からの嫉妬の分こちらの方が面倒なのですが。
そんなことが頭を過ったが、結局上記の理由により断れるわけもなく、私はその場で了解した。
それぐらい、これから彼氏のレギュラスに聞けばいい。
今のところ、私はレギュラスをとてもいい婚約者だと思っている。
(思いだすと恥ずかしいが)素の頬笑みが好きと言った彼だ。
彼と私の出会ったときを考えれば、それはの屋敷、しかも裏山でのことだろう。
そこから考えるにおそらく彼は…精神面で私が予定していたほどの不自由をさせる家庭を作る気はないだろう。
一見暖かいけれど上滑りな会話。
家族なのに互いに不干渉。
嬉しくもないのに浮かべ続ける微笑み。
彼との家庭では、とりあえずそんな食事はしなくて済みそうだ。
そんなわけで、本当の意味での結婚を前提としたお付き合いの始まりとなったのだが。

「で?何でお前がレギュラスと付き合うことになったんだよ」

女性ではなく悪戯仕掛け人が最初に私を呼びだしたのでした。
というか、大広間からそのまま拉致されたというのが正しい。
そんなことを言われても私は知らない。一応被害者で告白された側なのだ。

「そうそう。君……シリウスの弟君に告白されてもちっとも嬉しそうじゃないね」

そういったのはジェームズで、どうせならまだ彼一人の方が良かった気さえしてくる。
いや、その方が鋭さは増すのだろうけれど。
それはそれで恐ろしいのだが、ブラックと…ルーピンよりましだ。(この二大苦手コンビ)にどうやって対抗しよう。
ちなみにそのルーピンはさっきから沈黙を貫き、名前を忘れた小さい男の子はその横でおろろとしている。

「……はぁ」

ジェームズ一人なら、最悪婚約者だからですむ。ポッターは純血だから、納得はしなくとも状況理解はしてもらえる。しかし、この様子だとシリウス・ブラックはレギュラスと私の婚約を知らないようだ。
その状態でジェームズを納得させるには。

「……」

やっぱり逃げ出すか、縁を切るのが一番手取り早いが、おそらくジェームズはそれで納得しない。
執拗に付け回されそう。
ああ、面倒だよ。
セブルス辺りを犠牲にしてでも逃げたいなんて…嘘だけど。困ったものだ。


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