裏切られて
ドリーム小説 談話室の煩いのがいやで私が先に行ったと思ったのだろう、後で来たリリーは(無論そんな必要はないのだけれど)私に謝り、そして向かいのジェームズを睨んだ。
この視線の意味がに何かしたんじゃだいでしょうね!というもの以外に思えたのは良いのか悪いのか。
ともかく、本当ならジェームズにとっては朗報だろう。
こそりと彼に耳打ちをし、このまま上手く行く事を願った。寮の静寂のためにも。
と、チキンを食べ近くにあったスコーンを手に取った時、(妙な表現だが)こちらに向かってくるフクロウと目があった。
のものだ。
何となく、嫌な予感がする。
かといって受け取らないわけにもいかず、自然と腕を出して止まらせる。
自分でいうのもなんだが、この動きが妙に優雅なのは言うまでもなく親のおかげだ。
我が家で一番公に使われる元気なフクロウ。
フェルリナあたりは、見ていれば訝く思ういるだろう。これが来た意味に。
とりあえず呪いの手紙ではないだろう。多分。
そんなことをして、家名を落とす人達ではない。私の存在を消したいのであれば、さっさと『売る』だろう。
透かし彫りのされた、紙を開いて………周囲の音が消えた。

?」

手紙を閉じて、気付けば高くなっていた(立ち上がっていた)視界からフェルリナを探した。
ぎこちない体を動かして、グリフィンドールからスリザリンのテーブルへ向かう。
途中から、スリザリン生の(主に取り巻きと言われる奴らから)視線を感じたが、一応毎年ブラック家のパーティにも参加しているの娘に何か言ってくるものはいない。

「フェルリナ」

もしかして、弟にフォグワーツで声をかけるのは初めてではないだろうかと状況にあわない平和なことを思った。

「姉上?…顔色が悪いですよ?」
「寝不足なだけよ………貴方にあの人達から手紙は来た?」

それだけでないことはわかっているのに、咄嗟に嘘をつく。
後々にこんな兄弟の会話から足をすくわれてはたまったもんじゃない。

「いいえ」

そう否定しながら、私から受け取った手紙を失礼しますといいながら見て…弟は顔を強張らせた。
思わず声を出しかけたのだろうそれを手で抑えて、手紙を閉じる。そして信じられないように、怒りを込めた瞳でこちらを見た。
スリザリンでもフェルリナの様子が変わったのはわかったのだろう。
周囲がざわめく。
その緊張を破ったのはフェルリナだった。
横の者に声をかけて、荷物を持つ。

「とりあえず、場所を移しましょう姉上。そして、落ち着かなければ」

先ほどからどこか不安定で仕方がなのは、どうやら混乱しているせいらしい。
私は肯いた。



心の整理を終えたのは、午前授業が終わったころだった。
付き合わせてしまったフェルリナに謝ろうとすると、(何とも可愛く)怒りますよと言われた。
まあ、弟の成績なら授業を一二回休んだ程度痛くも痒くもないだろう。
そもそも今日の事で、一番を取り続ける必要も言ってしまえば無くなってしまった。
同時にフェルリナの中では、両親への愛情と言った物が全くなくなってしまったようで、(意外にも)それが少し羨ましい。
被害者と言える私が、まだまだあの人達を見切ることが出来ないでいるのに。
裏切られて、今更それに気付いた。
私はこんなことをされても、あの人達を心の底では愛している。
それは今の私には恐ろしく絶望的なことだった。

ささやかなら昼食を取る時間があったので食堂へ行くと、私よりも早くジェームズがやって来て彼の横へと座らされた。
リリーは周囲にいない。いるのは悪戯仕掛け人達。
これはこれで、珍しい構図だ。

「で?」
「で?」
「弟くんと午前をサボって何をしてたんだい?」

いや何ともグリフィンドールらしい直球だった。
きらきらと好奇心で目が輝いている。

「家の事で、ちょっとね」

それを笑顔で拒絶する。
こんなこと少しも申訳ないくともなんともない。
解っていたことだけれど、彼らとは生きる世界が違う。
私は純血世界の人間だ。
と、眼鏡越しのジェームズの視線がすっと、これまでとは違った感じにきつくなった。
探るような鋭い眼光。
それは周囲も同じで。
え、えー?
何やら地雷を踏んでしまったような気がしましたのですが…どうしましょう弟よ。
というか、なぜブラックと同じ机に義務でもないのに座っているのだろう、私は。
それほど時間が無い上に、不快感たっぷりになったので、視界に入れないように私は食事を始めた。


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