私のこれまで
ドリーム小説 少し昔の話をしよう。
私の家…家は純血一族だ。
とはいってもブラック家やマルフォイ家には全く及ばなかったし、私も彼らの取り巻きになるのだろうと思っていた。
けれど違った。
何の因果か神様のいたずらか(正確には祖父のせいで)、私はブラック家の長男と張り合うことを求められたのだった。
非常にわずらわしいいながらも、まだ婚約の方がよかったというのに。
けれど決まってしまったものを子供がどうこう出来るはずもなく、私は必死になって勉強した。
しもべ妖精やいまや唯一家族と思える弟に心配されながら寝る間も惜しんで必死になって…それでもシリウス・ブラックにはかなわなかった。
毎度、両家だけが集まったパーティーでもっと大きな集会で、いつも、いつもいつも、あいつには勝てなかった。
あいつに負けるたび、母は私に鞭を打った。出来そこないと罵倒され地下牢へと閉じ込められた。
そんなある日、彼を弟が負かしてしまった。そして弟は家に帰って両親に言ったのだ。これかれは代わりに自分が役目を果たすと。
弟の説得で、両親は私を勉強に追われる日々から解放し、そしてかわりに別の役割を言いつけたのだった。
曰く、私たちが認める結婚相手を卒業までに見つけてきなさいと。それが出来なかった時のことなど言うまでもないだろう。それでもそれは純血に生まれた女の義務のようなものであったし、私には十分満足であった(弟は憤慨を通り越してもはや両親を軽蔑していた)。
それからの日々は、とても自由であった。それは何よりあいつに近づく必要がなくなったということでもあった(このころにはもう大のシリウス・ブラック嫌いだった)。
ただ誤算はあのブラック家の人間がグリフィンドールに入ったということだった。
ブラック家において前代未聞のことを起こした彼、そして目立たぬけれど同じ状態の私。
何もなく卒業した時にどうされるかは一目了然であった。
そして嫌なことに、その日のうちに両家は動き出している。
私の感情をふくめた両家のあれやこれを向こうが理解しているのかはわからない。下手をすれば急にそっけなくなった幼馴染感覚かもしれない、彼に罪はないが迷惑である。
シリウス・ブラックと結婚なんて冗談ではない!

そうして色々な純血の男に手を出し、こんな怪我をする羽目にもなってしまったのだが。

そういえば二つ下の弟は元気だろうか。
← back to index
template : A Moveable Feast