妙だ
ドリーム小説 「はじめまして、さん?」
「……」

眼鏡。黒髪。

「あれ、僕のことしらない?え、嘘。あれ…?」

誰だったか…。

「は、はじめまして」
「うん。はじめまして」
「ブラックの友人さん」
「……」
「……」
「あ、あれ?そっち?リーマスは?」
「リーマス?」

「誰でしたっけそれ」

「………っ、ははははっ。あははっはははっ!」

………………大丈夫か、この人。

「あははは…酷いな」
「げ」

口に出ていたらしい。

「で、僕はジェームズだよ」
「知ってます」

「でさ…」
「さようなら」

嫌な予感がした。
体を反転、足を踏み出し…出せなかった。

「ちょっとまった、逃げないでよ」
「嫌な予感がしました。要件ならリリーにどうぞ」

だから手を離してください。

「それはそれでものすごく魅力的だけど、ちょっとまって」
「いえ、待ちません」
「待って」
「嫌です」
「…でさ、リぐふっ」
「……」

出た。リーマス・ルーピン。ジェイムズの頭を後ろから掴んで前に倒している。

「ごめんね。彼が迷惑かけたみたいで」

いえ、あなたほどではありませんよ。とりあえず言葉が通じるし。
そういえば二人ともとまともな会話を交わしたのは初めてだ。
数日前のセブルスにしたって、この頃急速にどうも知り合いが増えていっている気がする。
原因は…現時点では不明。
ーと私を呼びながらリーマス・ルーピンに引きずられて行く、眼鏡に手を振って、私は厨房に向った。
妙に喉が渇いていた。
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